ADHD高専生、院生になる

(旧ブログ:はいぱーあくてぃぶらいふ) 7年間高専に通った物好きが大学院生になりました。

ADHDが高専に入って5年が過ぎようとしているお話

Kosendvent Calendar 2014 - Adventar、22日目の記事です。

ちょっとだけ自己紹介

・東北の某高専で化学とか生物やってる5年生です

・(卒業できれば)専攻科に進学します

高専2年の冬にADHDの診断でました。今は投薬しつつ凌いでます

今回は、在学中に診断を受けた身として色々体験を書いていきます。テーマは堅いですけど気楽に読んでもらえれば嬉しいです

 

前置き~そもそもADHDとは何か~

ADHDが何か…ってことですが長くなっちゃうのであまり説明しません。簡単に言いますと、(日常生活に支障が出るレベルで)不注意、多動、衝動性がある人です。多動ない人も中にはいますけど。カテゴリ的には発達障害に入る、先天的な脳機能のアンバランスからくるものです。 詳しくはGoogleなどで。

 

診断までの経緯(学生相談室経由)

1年生の6月くらいから、学生相談室に通ってました。友人に「もしかしたらADHDかもしれない」という話をしたら、彼女がたまたま相談室に来ている心理士さんと知り合いで、紹介してもらったのがきっかけでした。それから定期的にカウンセリングを受けるように。

 しばらくはカウンセリングだけで乗り切ろうと思っていたのですが、2年生の夏くらいに限界を感じ、専門医を紹介してもらいました。心理士さんに紹介状を書いてもらったのもあり、初診~診断まではスムーズでしたね。診断受けたい高専生は一度学生相談室を訪れてみることをお勧めします。というのも、自力で医者を探すの結構大変なので。 

 

診断後どうなったか

コンサータっていう薬飲み始めました。これのおかげでだいぶ生活が楽になりました。授業も聞けるようになったし、作業にもそれなりに集中できるようになって脳内に余裕が生まれました。

学校には正式に診断書とかは出してません。授業によっては、先生に相談してサポートをお願いしていました。具体的には

・席を一番前にしてもらった(後ろだと視界に余計な刺激が入ってくる)

・耳栓許可

・レポートの一部PC使用許可

などです。この頃は高専も結構発達障害の対応を進めているみたいです。佐世保高専とか結構熱心でよく取り上げられています。

これまでの高専生活で苦労したこと

たぶんどんな学校に行っててもADHD特性を持っているからには結構な苦労をしたと思います。なので、高専ならではの苦労話ってよりは単にきつかったことについて。

手書きのレポートで死にそうになった(3年まで)&先延ばし癖

3年生まで学生実験のレポートは手書きでした。字を書くってのは結構注意力とかエネルギーを使うので、かなりきつかったですね。先延ばし癖もたたって、3年の時には3連休で6本のレポート書く羽目になりました(そのうち4本は清書のみでしたが)4年からはPCで書けるようになったのでだいぶ楽でした(それでも提出は結構遅れたという…)どうやら5年間ずっと手書きの学科もあるようで、ここに入っていたらどうなっていたことやら。

実験は楽しいんだけどADHDには難所がいっぱい

高専といえば実験や実習ですね。実験はそれなりに好きなんですけど、学生実験は40数人が一気に実験するのでなかなか大変でした。というのも、40人も一斉に実験してれば学生の声で賑やかになりますし、それぞれのテーマに分かれて実験するので先生たちの説明があっちこっちから聞こえてきます。ADHDは不要な刺激を適切にカットする「選択的注意」って機能に難があるらしく…まあこれは薬飲み始めたらだいぶマシになりました。

書類整理ができない&無くしもの

1年生のある日、担任から呼び出されました。何事かと思ったら、プリントの片付けを教えるのが目的だったらしく。「お前、このままだとやばいぞ」と言われましたw それくらい片付けができなかったですね。成績表の担任所見欄に「整理整頓を心掛けてください」みたいなことも書いてありましたw「片づけられない女たち」って本が一時期話題になりましたが、それくらいADHDは片付け下手が多いですね。たまに得意な人もいますが…。

 

高専だから良かったのかもしれないこと

友人のサポートなど

なんというか、高専って良くも悪くも一風変わった人が多いですね。それもあってか、色んなタイプの人間に寛容な空気があると思いますね。割と友人には障害を打ち明けているのですが、ほとんどは変わらず接してくれています(もちろんその人なりに葛藤があったのかもしれませんが)。特性を踏まえていろいろサポートしてくれる友人もいてありがたい限りです。障害だからしょうがないかみたいな気の遣われ方もないですし、むしろ厳しい突っ込みがよく来ますねw

先生に相談しやすい

先ほども少し述べましたが、この頃は高等教育機関において発達障害についてのサポート体制も整いつつあり、高専にも発達に詳しい教官がちらほらいます。学生と先生の距離が近いという高専ならではのメリットもあり、結構相談しやすかったです。

好きな分野を中心に力を入れられる

おそらく自分が中学の成績だけを見て進学校に行ってたら大学受験どころじゃなかったと思います。あれこれまんべんなくというのが非常に苦手なので、ある程度分野を絞って頑張れる高専は自分には合ってたかなと思います。教養とか英語力が代償になっている気はしますが、手を出さなくてはいけない範囲が広すぎると自滅するタイプなので、たぶん普通高校だとしんどかったかもしれないです。

 

長くなってしまいました。色々あったけど高専で良かったんじゃないかと今のところは思っています。最後に言いますが、もしかしたら自分も…と思っている学生さんはぜひ早めに学生相談室や詳しそうな教官に相談することをおすすめします。

ただでさえ留年率が高い高専、発達傾向があると進級するために通常より色々な山場があることが多いので…